雷後の捷水路

普段は水のない流れ込みや土管から雷雨の後には勢いよく水が流れ込む。





その流れにグラブを投げ込みナチュラルドリフトさせると、元気なバスが飛び出してくる。





学生時代に通った印旛沼の必勝パターン。成田を中心にして、あの辺りは雷銀座と言われるほど、夏には夕立が多い。





一度降り出すと正に地獄。天候変化は雲の流れや空気の臭いで察知し、雷雲の接近は空気中の電気を感じ、小刻みに振動するロッドが教えてくれる。





それらの前兆を感じたら、数少ない橋の下まで、全速力で移動。





あとはひたすら嵐が過ぎ去るのを待つだけ。エレキのパワーをMAXにしても、台風並の風で小さな橋の下から追い出されるので、ひたすら橋脚にしがみついて耐えるのみ。





嵐のような雷雨は長くても20分位で去り、そのあとはご褒美のフィーバータイムの幕が開く。





ずぶ濡れになっても夏の陽射しがあっと言う間に服を乾かしてくれる。



ホームを河口湖から印旛沼に移し、やがて霞ヶ浦へと。乗る車も変わり、乗るボートも変わった。





今はもうあまり出番の無くなったジョンは家の壁にもたれ掛かったまま。霞ヶ浦に置いていたバスボートは去年手放した。





釣り方や乗り物は移り変わっても、釣りへの情熱は変わらない。





眠っているジョンを叩き起こし、また冒険に出掛けたい。いや眠っていたのは僕だったのかも知れない。





少しばかりお金が掛かるけど、またジョンと冒険に出掛けよう。





お金なんかじゃ買えない、価値ある一瞬に出会うために。





と、雨が降る月曜日の朝、会社に行きながらふと思った。